はじまり

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カインは俺の存在に気がついたのか、紅い眼を大きく見開いて俺を見た。 「………なんで…眠らせたはずなのに…」 カインは震えた声で言った。 「なんで?眠らせた?!どうゆうことだよ?! ってか、お前、魔法使えないんじゃなかったのか?!」 俺は怒鳴った。それと同時に驚いた。 (…そうだよ、カインは魔法が使えないんじゃなかったのか?!…) 「アル…黙っていてごめん…実は…――――…――――――…――んだ…。」 建物が崩れてく…村が焼けてく…煙をかなり吸ってしまったのか、意識が薄れてく………… 時が止まった気がした。 俺は何故か涙が止まらなかった。 今、この時だけ、自分の理解力が恐かった。 俺はその場に蹲るように倒れた。 ――実は僕は魔術も何もないただの人間なんだ―――
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