プロローグ

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それはあまりにも意外な一言だった。 「いや、正確に言うと、フラれたのかな…」 古谷は小さく自嘲した。 美帆とは、古谷の彼女の名前である。 中学二年の時から付き合っていて、もうすぐ丸一年が過ぎようとしていたのに。 一体、どうして? 「アイツ、この前俺を呼び出して、こう言いやがったんだ。 『お互いがヅミ高に行くまでは、友達の関係でいましょう?』ってさ」 「…?」 「俺がヅミ高に行けないと思って、んな事言いやがったんだよ! …こうなりゃ意地でも行ってやる」 何だ。頑張ってんのはそんな理由だったのか。 アホらしい。 心配した俺が馬鹿だったよ。 俺はコーラを一気に飲み干すと、古谷の名前を呼んだ。 「おい、古谷」 「ん?」 「ぐぇぇぇっぷ!」 振り向いた古谷の顔面に特大のゲップを喰らわせてやった。 「何すんだよ!きったねぇな!」 「ま、理由はどうあれ、頑張るのは良いことだ。 …応援してるぜ」 古谷は一瞬キョトンとしたが、すぐに元の馬鹿面に戻って、力強く頷いた。 「ああ」 そうして俺はゆっくり立ち上がって、古谷の頭に手をのせた。 「じゃあ俺帰るわ」 「あ、おう。じゃあな」 そんな感じに言い合って、俺は古谷の家を出た。
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