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『おす! 孝之!』
通学路の途中、後ろから聞き慣れた声がした。
『おす、隆一。』
朝からテンションの高い奴だ。
ヘラヘラ笑顔とくせっ毛がトレードマークの隆一と、無表情(と言われる)と眼鏡が特徴の俺…
二人は親友だった。
この日も、二人で学校へ行き、学生としての生活を営み、入っていない部活があるはずもなく、普通に帰路についた。
そこまでは『いつも通り』だった。
異変が起こったのは、一週間後のある日だったのだ。
隆一が学校を休んだ…
先生からは忌引だと伝えられ、俺は気の毒だと思ったが、特に気にかけなかった。
その日の帰り、クラスの女子が噂しているのが耳に入った。
『ねぇ、聞いた? 今日休んだ高井の親御さん、殺されたんだって…』
高井…隆一か!
隆一の親御さんが殺された!?
俺はすぐに事を飲み込めなかった…
頭がグルグルして、家に着くまでの記憶がなかった。
次の日、その次の日も隆一は忌引で休み…
忌引扱いではなくなる日からも、隆一は休み続けた…
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