俺にはお前だけ

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目が爛々と輝き、今にも謐叔父サンを殴りそうな勢いで、彼のネクタイの結び目を掴んだ。  「・・・・煉が自分の意志で車に乗ったんだよ?」 謐叔父サンは首を絞められた状態にも関わらず呼吸を乱さずに他人事のように言う。  「煉を返しなさいッ」 ギリギリとネクタイを締め上げ、謐叔父サンの顔にも苦痛の色が滲み始める。  「煉の事がずっと好きだったのに、まさか、自分の親戚に取られるなんて。よりによって一條の人間にッ・・・・」 謐叔父サンは悔しそうに唇を噛みしめ、音歌サンの腕を力任せに振りほどいた。
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