俺にはお前だけ

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「一番大切な存在だよ」  だから、申し訳なく思ってるよ。  謐サンの方まで歩き、抱き締めた。  雪成と同じように。  「ごめん。謐サンの一番傍にいるって言ったのに守れなくて」 思い出した、夢で。  昔、謐サンとした約束を。  ・・・・・・何で忘れていたんだろう。 「逆になったね、昔と。昔は僕が君を抱き締める側だったのに」 「謐サン、辛くなったらいつでも家に帰ってきて」 「・・・・本当に甘いんだからッ」 そう言って、俺から離れた。  迷いの無い瞳。 本当だよ、謐サン。  辛くなったら帰ってくればいいんだ。
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