俺にはお前だけ

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「謐ッ!」 母さんが謐サンに走り寄り、勢い任せに抱きついた。  後ろによろけながら、謐サンは母さんの背中に腕を回した。  「姉さん!?」  「いつでも帰ってきなさい!あんたには姉が二人居るのよ、思い悩む前に頼りなさいッ!!」 母さんだけでなく、奏さんも抱きついた。  謐サンを挟むようにして。  瞳にうっすら涙を浮かべた謐サンは幸せそうだった。  空港までみんなで送ると言ったのに、断られてしまった。  “充分だから” と。 
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