俺にはお前だけ

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謐サンの車が見えなくなり、それと共に頭痛が復活する。 痛む頭を押さえ、ベンチに座ると、夏が隣に座った。 「しかし、さっきの凄かったなぁ。親の前でプロポーズ。やるね、煉」 夏に腕を回され、ポンポンと肩を叩かれる。  「・・・・・プロポーズ?何、それ?」 「一番大切だって言ったってことは、もうそれなりの覚悟が出来たのでは?」 「えーーーー!!!」 思わず叫んでしまい、注目を浴びる。  母さんはおろか、奏さんや、信号機トリオ、西門にまで聞かれていたってことだよな。  男同士ってことにまだちょっぴり後ろめたさがあるのに。  「煉は、俺とずっと一緒に居てくれるんじゃないの?」 「雪成!?」 聞かれてた・・・・!! 変な汗をかいてきたな。  「俺は母さん達と帰るわ」 鼻歌混じりに、夏は立ち上がり、頑張れよと去りぎわに言った。  訪れる沈黙。  何かに備える俺。  「まだ15だよ、一緒に居たいとは思うけどッ、って雪成、おま・・・・」 ブゥンッ!!!  久しぶりに振り下ろされる木刀。風圧で前髪の一部が切れた。  「・・・・・・まだまだ俺の愛が分かってないみたいだね、煉」
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