3133人が本棚に入れています
本棚に追加
謐サンの車が見えなくなり、それと共に頭痛が復活する。
痛む頭を押さえ、ベンチに座ると、夏が隣に座った。
「しかし、さっきの凄かったなぁ。親の前でプロポーズ。やるね、煉」
夏に腕を回され、ポンポンと肩を叩かれる。
「・・・・・プロポーズ?何、それ?」
「一番大切だって言ったってことは、もうそれなりの覚悟が出来たのでは?」
「えーーーー!!!」
思わず叫んでしまい、注目を浴びる。
母さんはおろか、奏さんや、信号機トリオ、西門にまで聞かれていたってことだよな。
男同士ってことにまだちょっぴり後ろめたさがあるのに。
「煉は、俺とずっと一緒に居てくれるんじゃないの?」
「雪成!?」
聞かれてた・・・・!! 変な汗をかいてきたな。
「俺は母さん達と帰るわ」
鼻歌混じりに、夏は立ち上がり、頑張れよと去りぎわに言った。
訪れる沈黙。
何かに備える俺。
「まだ15だよ、一緒に居たいとは思うけどッ、って雪成、おま・・・・」
ブゥンッ!!!
久しぶりに振り下ろされる木刀。風圧で前髪の一部が切れた。
「・・・・・・まだまだ俺の愛が分かってないみたいだね、煉」
最初のコメントを投稿しよう!