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一通り確認したら
安心したのだろう。
私の携帯を閉じてテーブルに置いた。
誤解だったことを詫びもしない夫は
今に始まったわけじゃないが
今更ながら嫌気がさして
私はため息をついた。
「ママァ お腹すいた」
娘の歩美が起きてきた。
「歩美、まずおはようだろ?」
夫は私には見せない穏やかな顔で娘に話しかける。
「あ…パパ おはよ」
歩美は夫に抱きつく。
娘は夫が大好きだ。
夫は父親としてはいい人間だと思う。
優しいだけでなく
しつけの面でもしっかりしている。
夫としては…
私を家政婦か何かのように扱ったり
常に私の行動を把握していようとする性格は
もううんざりしている。
夫から言い出してくれればいつ離婚してもかまわない。
私から言い出さないのは
娘には父親が必要だと思っているから。
子はかすがいと言うけど
歩美がいなかったら
私はとっくにここにはいない。
そんな夫に不満を抱えてイライラがつのっていると
友達に愚痴った。
友達は
「じゃあ、これでもやってみたら?」
そう言って紹介してくれたサイトで
あの人と知り合った。
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