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「さすがに暑いね」
「すっかり夏みたいだもんね」
「コンビニで何か買って行こうか?」
「お茶とお弁当かなんか?」
「そう…
散歩道って言っても、登山みたいだから」
「えぇっ登山!!!私そんな靴じゃないよ」
「あははっ、冗談だよ。まさか初めてのデートに登山は選ばないって」
「んもうっ!」
話しているうちに、コンビニに着いた。
カゴを持ち、お茶やお菓子やおにぎりを買って行った。
買い物をしながら
考えた。
これってデートかな?
でもなんだかワクワクするからいいか。
そういえば私は、田辺さんに対して少しも物おじしていない。
まるで以前からの知り合いのような話し方だと、今気づいた。
始めの緊張はどこへ行ったんだろう。
こんな私を、田辺さんはあきれたりしてないだろうか?
こうやって会うことに馴れてるなんて、誤解してないだろうか?
レジでお財布を出しながら考えた。
「あっこれは俺が…」
そう言いながら田辺さんは、携帯であっというまに清算してしまった。
「あら、ごちそうさま」
「そんなぁ
ごちそうさまなんてコース料理をおごったわけじゃあるまいし」
「ぷっ!
じゃあ次コース料理をおごってもらう時にまた言うね」
言ってから驚いた。私ってば、もう次なんて言ってる。
会って20分もたってない
田辺さんに。
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