秘密

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ドアが開いた先には彼女がいた。 「待ってたわ。」 「あ、うん。遅れてごめん。」 別に遅れたわけではないが、とりあえず謝っておいた。 「大丈夫。私もさっき来たから。」 これだと立場が逆だな。 「・・・・で、話って何?」 その言葉を聞くと彼女はいきなりこう言った。 「ねぇ、私のこと誰かに話した?」 そう言われた瞬間、オレは突然背中に冷や汗が吹き出てきた。 「・・・い、いいや、 全然。」 「・・・・・。」 彼女がじ―――――――っとオレを見てくる。 オレは牙にこのことを言うんじゃなかったと後悔していた。 くっ・・・、 やっぱりオレにはこれは耐えられない・・・! 「あの・・・実は・・・」 「言ったんだ・・・」 オレの考えが読まれてる・・・・ 「・・・・・はい・・・・・。」 「誰に言ったの?」 「・・・オレの友達の鮫島牙ってやつに・・・。」 「他は?」 「いえ、誰にも言ってません。」 なんだ? この警察みたいな尋問は・・・。 「そう・・・・・」 彼女は大きくため息をついた。 ・・・ため息つくなんて・・・。 ・・・オレ、もう泣きそう・・・。 「もう誰にも言わない?」 「う、うん! この先何が何でも絶対に言わない!」 今のオレものすごく必死だな・・・
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