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~一時間目(数学)~
面白くない授業が始まった。
オレ達のクラスの数学の担当はとてつもなく教えるのが下手だ。
そのせいでオレの成績が下がりかけている。
まあそんなことはどうでもいい。
なぜなら……
「……はい、じゃあこの問題が解ける人……。」
(うわっ!あんな問題解けるわけねーじゃん)。
「……それじゃあ猫田、解いてみろ。」
「……はい……。」
一人の女の子が席を立って黒板に向かう。
その女の子が黒板に答えをスラスラ書いていく。
「5<X<9です。」
「……せ、正解だ………。」
担当の先生が少し苦い顔をした。
正直ざまぁみろと思っていたが、それよりオレの目線はさっき見事な解答を出した女の子に向いていた。
そう、オレが今気になっている、いや、好きな人は、
成績優秀、スポーツ万能、性格は………わからないけど………多分いいだろう……というどれをとっても完璧な女の子
〈猫田ミミ〉だ。
少し笑い声がしている中、先生が顔を赤らめながら言う。
「……よ、よし、戻っていいぞ。」
「…はい。」
みんなの視線がある中を無表情で通り抜けていく姿にはいつも寂しそうな感じがしていた。
少し心配だった。
しかし、それよりも今は別のことで心配だ……。
なぜならオレは今日……
彼女に告白する。
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