3ページ目 東武久日記

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「一也……好きな子とかいんのかなぁ……」 ポツリと呟くが、当の一也本人は、「用事がアルヨ」と妙にカタコトに言って帰っていったのだった。 「……ま、やるしかないか……」 と、孤独に桃園の誓い……ならぬ坂上高校の誓いをたてた竜巳であった。 その竜巳を教室の外から見つめる少女が1人。 「あれは……いえ、あの方は……」 彼女の目は竜巳から離れない。 いや、離さない。 「間違いありませんわ……」 桜色の唇が滑らかに動き、彼の名を口にした。 「虎井、竜巳様……」 また何か、起ころうとして……いるのだろうか? 日は暮れゆく。
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