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「一也……好きな子とかいんのかなぁ……」
ポツリと呟くが、当の一也本人は、「用事がアルヨ」と妙にカタコトに言って帰っていったのだった。
「……ま、やるしかないか……」
と、孤独に桃園の誓い……ならぬ坂上高校の誓いをたてた竜巳であった。
その竜巳を教室の外から見つめる少女が1人。
「あれは……いえ、あの方は……」
彼女の目は竜巳から離れない。
いや、離さない。
「間違いありませんわ……」
桜色の唇が滑らかに動き、彼の名を口にした。
「虎井、竜巳様……」
また何か、起ころうとして……いるのだろうか?
日は暮れゆく。
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