4ページ目 俵一也日記

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――★―――★―――★――― そんなわけで尾行中だったわけで。 そして現在怪しい4人衆はファミレス“Veryベリー”内に入って、とりあえずコーヒーを注文したのだった。 「ご主人様ご主人様、メニューにおせんべがないです!」 コイツは放っておこう。 多分思考の90%くらいはお煎餅で埋まっているに違いない。 「トラ、カズを見失った」 こそこそと話し掛けてきた美鶴の言葉に、少し動揺する。 「なっ……よく探したのか? 確かにここに入って――」 「しーっ。声が大きいぞトラ」 武久になだめられ、「すまん」と慌てて口を押さえる。 「しかし本当にいないな……まさか、撒かれた?」 武久が言うと美鶴は笑って、 「そんなわけねぇって」 と、まるでお気楽だ。 そんなわけあると思うがな……と竜巳が考えたのと同時、 「お客様、他のお客様のご迷惑になりますので」 店員に注意されてしまった。
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