第一秘書、工藤大樹の災難。

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    俺の名前は、工藤大樹・27歳。     現在、東条グループ本社の秘書室長を任されている。     本来なら、ここには前任者である、東条の親族が室長として在籍していたのだが、親友の東条要が、総帥に就任した途端、秘書の大多数を他へ異動させてしまった。     もちろん、それに対する苦情も多々あったが、要の     「使えない秘書はいらん。」     その一言で、済ませてしまった。     東条というのは、戦後から急激に発展してきた財閥の一種で、かなり昔には候爵を拝命したほどだったそうだ。     だが、爵位制度の崩壊後、自力で会社を起こしその後、どんどん成長していったグループだ。     今では、財閥等は関係ないらしいが、東条グループとして、色んな会社を統合して管理している。     実は要には、兄が二人おり、将来的にはその二人のどちらかが総帥に就任するはずだった。     そして、その秘書となる人物も、いずれは一会社の社長になれる…とあって、東条の親族の中から要の兄二人へ秘書として送り込まれていた。     だけど、要だけは気ままな三男だったこともあり、しかも東条とは関係のない所で会社を起こしていた為に、東条の親族からはとりあえずと言った形でしか、話しがきていなかった。    
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