第一秘書、工藤大樹の災難。

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    美優『キャッ……びっくりしたぁ。』     美優ちゃんは気が付いてなかったらしく、驚いたような声を上げたが、要は気付いていたらしく、こちらを不機嫌そうな顔つきで睨み、声を掛けてきた。     要「お前なぁ、ちょっとは気をきかせて、出て行くとかしないわけ?」     そう不満を漏らす要に向かって、こちらもやり返す。     大樹「あのですね~総帥様?いぃ加減、毎朝毎朝イチャつくのも大概にして下さい!おかげで、最近時間通りに会社に付けないじゃないですかッッ」     総帥様…と言われるのが大嫌いな要に向かって、嫌みたっぷりに話し掛ける。     実際、ここ最近特に遅刻が多いのだ。     それなのに、帰りは定時で帰宅しようとする。     (ったく、やってられるか!こっちは未だ独身で彼女の一人もいないってのに!!)     要が定時近くに帰るとなると、必然的にこちらの帰宅が遅くなる。     7時8時等はまだいぃ方で、 11時を過ぎることもある。     遊び相手もいた事はあるが、要が総帥に就任した後は遊ぶ暇もなく、しかもそんな時に限って近寄って来る女は、東条グループ目当てばかり。     しかも、俺が総帥の第一秘書と知ると、途端に態度を変える奴ばかりだ。     こんなことなら、前の会社のままが良かった……と思っても後の祭りだ。    
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