第一秘書、工藤大樹の災難。

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    (とにかく、今は要を連れて行くのが先だ。)     色々思い出しているうちに、要は又美優ちゃんにちょっかいをかけている。     お腹の中の子供が最近動き出したのがわかるらしく、お腹に手を当てるようにして、後ろから美優ちゃんに抱き着くのが近頃の要の行動だった。     まるで、子供が母親に甘えるようなその仕種に、思わず頬が緩む。     (全く、要は美優ちゃんと結婚して、強くなったのか、弱くなったのかわからないな。)     会社での要は、精力的に仕事をこなしている。     まぁ時々、ボーっとしている時もあるが(恐らく、美優ちゃんの事でも考えているんだろう。)会議や、他社の社員との面会等はいかにも仕事の出来る男……という感じだ。     実際、会社に訪れた何人かの役員らしき人達の評判も良い。     その、要の会社での評判を落とすわけには行かない。     ただでさえ、最近の遅刻によってだらけてるらしい…という噂が徐々にだが、あるらしいのだ。     美優ちゃんに抱き着いている要の耳を引っ張って、引きはがす。    
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