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次の土曜日 俺は礼子さんと待ち合わせたバーで その人を待っていた
なぜか 少し胸が躍るのは 礼子さんが言った
「可愛い子だよ~♪」の
せいだろうか…
ただ俺は最近 大失恋をしたばかりで あまり女性に興味がなかった
しばらく 恋愛に煩わされたくない…
そんな気分だった
その時 バーの入り口のドアチャイムが鳴る
「奈美ちゃん!こっちこっち!」
礼子さんの声に導かれて近づいて来たその女性を見た瞬間 俺は息を飲んだ
一目惚れだった…
たったさっきまで 恋愛は煩わしいと 興味もないと思っていたのに
人はこんな急に180度考えが変わるものかと 自分でも笑えた
「はじめまして 瀬川 奈美です」
深々とおじぎをする姿に 胸がドキドキと高鳴る
今まで 綺麗な人や可愛い人に何人も会ったけど こんなにストライクゾーンど真ん中の人に会ったのは初めてだ
「た 高野 弘幸です」
明らかに挙動不審な俺に 礼子さんが意味ありげに微笑んだ
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