D.C (202)

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ピット「あ…どうも。215号室に引っ越してきたピットとです。よろしくお願いします!」 ???「…あぁ、俺はアイク。ここからすぐ近くにある大学に通っている。…ピットは、どこの学校なんだ?」 ピット「あ…、まだ決まってないです」 そういえば、学校はどうしよう。以前通っていた高校は、ここから電車で三時間以上かかる場所にある。し、退学済みだ。 アイク「…そうか、悪い」 ピット「そんな!えっとこれ」 おすそわけです、と言い終わらない内に僕の手にあった果物は彼の手に渡っていた。いつのまにーっ!? アイク「…肉じゃなくて果物か。…分からないこととかあったらいつでも来い。管理人がいないからな」 肉好きなんですね、わかります。 ピット「本当ですか?…嬉しいです!」 どうやら、アイクはマルスみたいにイカれた人ではないようだ。かなり無表情だけど優しい人。 少し心強くなった。 アイク「…そうだ、学校が見つからないなら予備校代わりとしてマルスに勉強教えてもらったらどうだ?」 ピット「……絶っ対嫌ですね」 アイク「?あいつは頭がいい。偏差値なんか俺の5倍はある」 …それはマルスさんがただ単に天才なのか、アイクさんが究極の馬鹿なのか。 でも勉強ができないのは辛い。来年は大学受験があるし… ピット「あの人おかしいんですよ、少女趣味だし…その、感覚が変」 "死体愛好家"という言葉を、近所の人に伝えてよいかわからず言葉が濁る。 彼は気にした風もなく、無表情のまま僕の髪をがしがしと乱暴になでた。くすぐったい。 アイク「怖かったんだな」 ピット「………はい」 なぜか、この人のまえでは多く語らずともわかりあえる気がした。 アイク「じゃ、俺は作業中だから。他の奴らの挨拶には気をつけろよ」 ピット「(気をつける?)…あ、はい。ありがとうございますアイクさん!」 彼は、無表情のまま扉を閉めて部屋の中に消えてしまった。やはり学生は忙しいみたい。 でも、アイクさんは"まとも"な人だった。マルスさんの存在で恐怖を感じていた僕は、安堵の息をついてその部屋をあとにする。 あたりには 甘い血の香りが 濃く ただよっていたことに 僕は 気づかぬ振りをした。 .
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