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お茶をまた一口飲み、助けようと腰を浮かしたが再び腰を下ろした。
(…うん、蝶にも命はあるけど、この蜘蛛にも命はあるんだよな…… これが自然の摂理ってもんなんだよな…… 古の昔から変わる事のない摂理か……)
そう思っている間にも、蜘蛛と蝶の距離は縮まり、蜘蛛は蝶に覆い被さった。
北村は、罠に掛かった蝶が、生きながら蜘蛛の餌食になるのをただ見つめていたが不思議と嫌悪感のようなものは無かった。
(蝶は自分が罠に掛かったのを気がついているのだろうか……)
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