261人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
―KEEP OUT―
黄色いテープに黒い字でそう書かれている。
(ここか…… さすがにもう、警察の姿はないな…)
地面を見つめながら数歩、歩いてみたがもちろん手掛かりなどある筈がない。
(…ん? ここだったらあの釣り人の姿はここからは見えない……)
そこは、ちょうどコンテナの陰になっている。コンテナの約5メートル先は海だ。
(うーん… いくらここが陰だとしても、銃声がしたら周りの釣り人に丸聞こえだな……。)
さながら、刑事や探偵にでもなった気でいる。
(わからねーな…)
当たり前である、ただの保険屋なのだから…
しかも、警察は‘自殺’の線で事を進めているのに、保険屋がひっくり返したら警察などいらないであろう……。
北村は独り言をつぶやくと停めてある車へと向かった。
諦めも早いのが、この北村の特徴でもある。
最初のコメントを投稿しよう!