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―KEEP OUT― 黄色いテープに黒い字でそう書かれている。 (ここか…… さすがにもう、警察の姿はないな…) 地面を見つめながら数歩、歩いてみたがもちろん手掛かりなどある筈がない。 (…ん? ここだったらあの釣り人の姿はここからは見えない……) そこは、ちょうどコンテナの陰になっている。コンテナの約5メートル先は海だ。 (うーん… いくらここが陰だとしても、銃声がしたら周りの釣り人に丸聞こえだな……。) さながら、刑事や探偵にでもなった気でいる。 (わからねーな…) 当たり前である、ただの保険屋なのだから… しかも、警察は‘自殺’の線で事を進めているのに、保険屋がひっくり返したら警察などいらないであろう……。 北村は独り言をつぶやくと停めてある車へと向かった。 諦めも早いのが、この北村の特徴でもある。
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