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ぐっすり眠ったので、寝起きはよかった…窓から外を見るまでは。
紅い目を見開いた。
「なんだよ…これ…」
空は紫色をしていて、大地は荒れていた。この家を除いてこの世界が終わったのか、それともまだ夢を見ているのかと思った。
頬をつねると激痛が走る。
「はは…まじかよ」
家の中を走り回った。
だが、探しものはいなかった。
「姉ちゃん…どこにいるんだよ」
玄関の扉を勢いよく開いた。やはりそこには、『終わった世界』が広がっていた。
宛もなく、街だった場所をさまよい、たどり着いたのは自分が通っている学校だった。
「何でこんなところに…帰るか」
学校に背を向け、立ち去ろうとした時
「…おい」
声が聞こえてきた。その声に聞き覚えはあった。
「…あん?」
声の主は、幼なじみかつクラスメートの霧彩 雹<キリサイ ヒョウ>だ。襟代わりに、モコモコした毛を取り付けたコートを着ていて青の長髪がよく似合う。
「…お前は無事だったか…」
俺…『は』?
冗談じゃない、と思い
「は、って何だよ、は、って?」
落ち着いていたかわからない。
確信を持てるのは、雹が何かを知っている事。
「お前ならわかっているはずだ…」
「まさか…まじかよ…」
不謹慎とわかっていつつもははは、と笑ってしまった。
こんな事が起きるなんて思ってなかった。
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