安寧の碑

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ダギはしばらく独りであることの平穏を味わっていた。 しかし、その耳がわずかに動く。 誰かが身を潜めながら近づいてくる。 匂いを嗅がなくても、姿を見なくても、ダギにはそれが誰だかわかった。 気配を隠しているつもりらしいが、まだまだ未熟者だ。 背後の茂みから漆黒の影が躍りかかる。 ダギは振り向きもせずに身をかわした。 体勢を崩しかけた相手に素早く足払いをかける。 蹴倒されて仰向けに転がったのは、デューだった。
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