安寧の碑

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ダギは相手をにらみつけた。 正面に立つ狼は、眼光が鈍りつつある。 ようやくたどりついた決勝戦。 これまでにたまった疲労がでてきたということか。 だがダギは全く疲れを感じていなかった。 体は高揚に支配されている。 自分は、きっと勝つ。 気迫に押されたのか、相手の肩が少し下がった。 ダギの前足が地面を蹴る。 牙が相手の首をかすめた。 悲鳴のような鳴き声をあげて、対戦相手は仰向けに転がった。 降参のしるしだ。
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