71人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
ダギは相手をにらみつけた。
正面に立つ狼は、眼光が鈍りつつある。
ようやくたどりついた決勝戦。
これまでにたまった疲労がでてきたということか。
だがダギは全く疲れを感じていなかった。
体は高揚に支配されている。
自分は、きっと勝つ。
気迫に押されたのか、相手の肩が少し下がった。
ダギの前足が地面を蹴る。
牙が相手の首をかすめた。
悲鳴のような鳴き声をあげて、対戦相手は仰向けに転がった。
降参のしるしだ。
最初のコメントを投稿しよう!