安寧の碑
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結局、ダギは考えることを放棄した。 いつものように人の波を掻き分け、木々の合間に入っていく。 鋭い耳が男たちの呟きをとらえた。 「相変わらず無愛想だな」 「強いっていってもあの性格じゃあな」 自然とダギの足は速くなっていた。 幹の間をすり抜け、茂みを飛び越え、何かを振り切るように。 いつの間にか全力疾走だった。
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