安寧の碑

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人気のないところまで来て、ダギは地面に体を投げ出した。 濃厚な土と草の匂い。 闇の枝葉の向こうに、星々が柔らかな光を投げかけている。 しばらくそうやって静かにしていると、体にまとわりついていた視線の鎖がほどけて、ようやく自由になれたような気がした。 これでいいのだ。 自分は強いから、誰ともつるまなくても平気だ。
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