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私は一瞬、目が丸くなった。
「名前…ですか?」
「うん、名前。」
無言になっている私を見た君は、笑いながら話し掛けた。
「お前もしかして…名前ないのか?」
一瞬ムカッとした私は
思わず強い口調で答えてしまった。
「ありますよ、ちゃんと。」
そんな私を見て面白く思ったのか、君は軽く笑った後こんな事を言った。
「じゃあ、教えて?」
馴れ馴れしく話し掛けて来る
君の姿を見て、自分の答えが出た。
「嫌です。」
私の答えを聞いた君は
呆然とした。
『普通、自分の方から
名前を言うでしょ。』
心の中で呟きながら
再び絵本を読もうとした時、
こう口にした。
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