危険な好奇心

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慎が恐る恐る、バットを握り締めながら基地に近づいた 。 俺と淳は少し後方でエアーガンを構えた。基地の中に中年女がいるかもしれない。 慎はゆっくりとドアに手を掛けると同時に、すばやく扉を引き開けた。 『うわっ!』 慎は何かに驚き、その場に尻餅を付きながら、ズルズルと俺達の元に後ずさりをしてきた。 俺と淳は何に慎が怯えているのか解らず、とりあえず銃を構えながら基地の中をゆっくりと覗いた。 そこには変わり果てたタッチの死体があった。 『うわっ!』 俺と淳も慎と同じような反応をとった。 やはりタッチも眉間に五寸釘が打ち込まれていた。 俺はその時、思った。 あの中年女は変態だ! いや、キチ●イだ! 普通、こんなことしないだろう。 とてつもない人間に関わってしまったと、昨夜、この山に来た事を心から後悔した。 しばらく三人ともタッチの死体を見て呆然としていたが、慎が小屋の中を指差し、 『おい!!あれ・・・』 俺と淳は黙りながら静かに慎が指差す方向を覗き込んだ。 基地の中・・・ 壁や床板に何か違和感が・・・何か文字が彫ってある・・
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