危険な好奇心

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慎はカメラを再び構え、『あの木』を撮ろうとしていた。 『ん?!おい!ちょっと来てーや!』 何かを発見し、俺を呼ぶ慎。俺は恐る恐る慎の元に歩み寄った。 慎が 『これ、この前無かったよな?』 と何かを指差す。 その先に視線をやると、無数に釘の刺さった写真が・・・ ん?たしか前もあったはずじゃ・・・ いや! 写真が違う! 厳密に言うと、この前見た『4・5歳ぐらいの女の子』の写真はその横にある。 つまり、写真が増えている! 写真の状態からして、ここニ・三日ぐらいに打ち込まれているであろう。 この前に見た写真は既に女の子かどうかもわからないぐらいに雨風で表面がボロボロになっている。 新しい写真も『4、5歳ぐらいの女の子』のようだ。 この時、慎には言わなかったが、俺は一瞬『新しい写真が俺だったらどうしよう!!』とドキドキしていた。 慎はカメラにその打ち込まれた写真を撮った。 そして、 『後は秘密基地の彫り込みを撮ろう。』 と言い、又走りだした。 俺は近くに中年女がいるような錯覚がし、一人になるのが怖く、慌てて慎を追った。 秘密基地に近いてきて、俺は違和感を感じ、 『慎!』 と呼び止めた。
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