危険な好奇心

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『ん?!どうしたの?』 中にいた若い警官が笑顔で俺達を迎えてくれた。 俺達はその警官の元に歩み寄り、 『助けてください!』 と言った。 俺と慎は『あの夜』の出来事を話した。裏付ける写真も一枚一枚見せながら話した。そして、今も『中年女』に狙われている事を。 一通り話し終わるとその警官は穏やかな表情で 『お父さんやお母さんに言ったの?』 俺たちは親には伝えてないと言うと、 『ん~、んぢゃ家の電話番号教えてくれるかな?』 と警官は言い出した。 慎が 『なんで親が関係あるの?狙われているのは俺達だよ?!』 とキレ気味に言い放った。 ちなみに慎の両親は医者と看護婦。高校生の兄貴は某有名私立高校生。 俺達3人の中で一番裕福な家庭だが、一番厳しい家庭でもある。 『あの夜』親に嘘をついて秘密基地に行き、このような事に巻き込まれた、などバレれば、俺や淳もだが、慎が一番洒落にならないのである。 『助けてよ!警察官でしょ!!』 と慎が詰め寄る。 警官は少し苦笑いして、 『君達小学生だよね?やっぱり、こーゆー事はキチンと親に言わなきゃダメだよ。』 と、しばらくイタチゴッコが続いた。 あげくに警官は 『じゃあ君達の担任の先生は何て名前?』 など、俺達にとっては《脅し》に取れる言葉を投げ掛けてきた。 まぁ、警官にとっては俺達の『保護者及び責任者』から話を聞かないと・・・って感じだったのだろうが、 俺達にとって、こういう時の『親・先生』は怒られる対象にしか考えられなかった。 そうこうしているうちに俺達の心の中に、目の前にいる 警官に対して《不信感》が芽生えてきた。 [このまま此処にいれば、無理矢理住所を言わされ、親にチクられる!]と。
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