危険な好奇心

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俺は冷静に他の写真も見てみた。 板に刻まれた 『淳呪殺』 少女の写真に無数『釘』 たしかに『中年女』の存在に直接結び付けるのは難しいのか? ひょっとして警官は『小学生の悪戯』と思っていて、先程から『親・担任』などと言っているのか? 俺はこのまま此処にいては危険だと感じ出した。 『絶対、親を呼び出すつもりだ!』 俺は慎に小さな声で耳打ちした。 慎は無言で頷き、アゴをクイッと動かし、『外に出る合図』を送ってきた。 すると次の瞬間には慎は勢いよく振り向き、走りだした。 俺もすぐさま後を追い、交番から抜け出した。 後ろから『おいっ!』と警官が呼び止める声がしたが、俺達は振り向かずに走り続けた。 警官が追い掛けてくる気配は無かった。警官はおそらく 『悪戯しにきた小学生が、嘘を見破られそうになり逃げ出した。』 とでも思っているのだろう。 俺と慎は警官が追って来ていないことを充分に確認し、道端に座り込み、緊急ミーティングを開催した。 『これからどーする?』 『どーしよ・・』 俺達は途方に暮れていた。最後の切り札の警察にも信じてもらえず、『中年女』から身を守る術を失った。 『これで全てが解決する』 と俺達は思い込んでいただけにショックはデカかった。 『このままだったら中年女に住所バレて・・・』 俺は恐かった。 すると慎が
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