危険な好奇心

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俺達は2匹に『出迎えご苦労!』と頭を撫でてやり、うまい棒を1本ずつあげた。 基地に着くと、荷物を小屋に入れ、まだ空が明るかったのでのすぐそばにある大きな池で釣りをした。まぁ釣れるのはウシガエルばかりだが。(ちなみに釣ったカエルは犬の餌) 釣りをしていると、徐々辺りが暗くなりだしたので、俺達は花火をやりだした。 俺達よりも2匹の野良の方がハシャいでいたが。 結構買い込んだつもりだったが、30分もしないうちに花火も尽きて、俺達は一旦小屋に入った。 夜の秘密基地というのは皆始めてで、山の奥地ということで、街灯もなく、月明りのみ。聞こえるのは虫の鳴き声だけ。 簡易ライト一本の薄明るい小屋に三人、最初は皆で菓子を食べながら好きな子の話、先生の悪口など喋っていたが、静まり返った小屋の周囲から、時折聞こえてくる 『ドボン!』(池に何かが落ちてる音) や『ザザッ!』(何かの動物?の足音?)に俺達は段々と恐くなって来た。 しだいに、 『今、なんか音したよな?』 『熊いたらどーしよ?!』 など、冗談ではなく、本気で 恐くなりだしてきた。 時間は9時、小屋の中は蒸し暑く、蚊もいて、眠れるような状況では無かった。 それよりも山の持つ独特の雰囲気に俺達は飲まれてしまい、皆、来た事を後悔していた。
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