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『コン!』
甲高い音が鳴り響いた。
心臓が止まるかと。
『コン!』
また鳴った。一瞬何が起きたか解らず、淳と慎の方を振り返った。
すると淳が指をさし、
『アイツや!アイツ、なんかしとる!』と。
俺はその何者かの様子を見た。
『コン!コン!コン!』
何かを木に打ち付けていた。
いや、手元は見えなかったが、それが【呪いの儀式】というのはすぐにわかった。
と 言うのも、この山は昔から【藁人形】に纏わる話がある。
あくまで都市伝説的な噂だと、その時までは思っていたが。
俺は恐くなり、『逃げよ。』と言ったが、
慎が
『あれ、やっとるの女や。よー見てみ。』と小声で言い出し、淳が
『どんな顔か見たいやろ?もっと近くで見たいやろ?』と悪ノリしだし、慎と淳はドンドンと先に進み出した。
俺はイヤだったが、ヘタレ扱いされるのも嫌なんで渋々二人の後を追った。
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