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どこからか銃声がした。
(え…?)
私の目は無意識に夏輝を見る。
(…撃たれていない。よかったー。)
続けてスーツ姿の社員の銃に目を向けた。
どうやら撃った様子はないようだ。
(じゃあ、今の音はなんだったの…?)
不思議に思い、思考の停止した頭で必死に考えていた私の耳に悲鳴が聞こえる。
「キャー」
「う…撃った…。」
「雄治…?雄治ー!!」
私達のクラスより一階下のクラスの方から混乱した声が一階二階関係なく響き渡る。その声は私に恐怖を募らせる…。
「やれやれ…。どうやらどこかのクラスでモニターになることを断った生徒がいたようですね。」
と表情を変えずに淡々と言い放った。
もしも、あの時頷かなければ夏輝は今この場に生きていなかっただろう。
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