36894人が本棚に入れています
本棚に追加
/721ページ
その言葉を聞き、恐怖と共に激しい怒りを覚えた。
「…ざけんな。こんなことで殺すなんて… 人の命をなんだと思ってんだよ!」
と白鳥 灸(しらとり やいと)が声を張り上げ、スーツ姿の社員に向かって苛立ちを隠せずに言い放った。
しかし、社員は冷静に
「命は大切ですよ?ですがあなた方は今、私達のモニター(実験台)です。簡単に言えば、あなた方は実験で使われるマウスなんですよ。代わりはいくらでもいます。
分かりましたか?」
あまりの残酷な言葉に反論の言葉さえ浮かばない。
(私達の命の代わりはいくらでもいるだなんて…ひどすぎるよ。)
涙が込みあげてくる。
泣いたところでこの状況が変わるわけではないので、私は涙を必死で我慢した。
私の変わらない毎日は、激しい音を立てて崩れ去り、最悪の方向へ進み始めた…。
最初のコメントを投稿しよう!