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一人暮らしで、ごく普通の高校に通う少年、誠(まこと)がいた。いつも電車で学校にかよっているのだが、気になることが…。
それは、いつも電車の中で見かける女の子。
名前も知らない。制服からして、同じ高校なのはわかるのだが…。
「話とかしたいな」
でも知り合いでもないのに、いきなりはマズイ。
「はぁ~。やっぱり無理だよなぁ」
毎日同じことを考えている気がする。
そして学校に着くと、自分の席に座る。
すると、
「今日も一段と元気がないじゃない?」
…と話かけて来たのは、幼なじみの春香(はるか)だった。昔からやたらと口が悪く、うるさい。
「どうしたのよ?」
「なんでもねぇよ。」
「さてはまた電車の中の女の子のこと考えてたんでしょ!」
「うるせぇな、悪いかよ。」
まったくうるさいやつだ。
「話しかけたらいいじゃない?」
「それが出来たら苦労しねぇよ。」
「私がその機会を作ってあげよっか!?」
「そんなこと出来るのか!」
「任せなさいっ!昼休みに屋上で待ってて!」
「おう。分かった。」
何をする気だろう…。
昼休み……。
俺はのんびり空を見ながら待っていた。すると、
「お待たせ!」
春香が来た。
「メアドもらっちゃった!」
「いきなり!?」
「私は顔が広いからね!名前は…早苗(さなえ)さんって言うらしいよ。」
「へぇ~。そうなのか。」
「彼氏はいないみたいよっ!よかったじゃない!」
「ほっとけ!」
「はい。メアドあげる。早苗さんには私から誠のこと紹介してあるから。放課後にでも話したら?」
「う~ん。分かった。」
今回は春香に感謝しないとな…。
「ありがとな。」
「いえいえ!」
放課後…。
早苗さんに会いに行った。
「こ…こんにちは。」
早速緊張してしまう。
「こちらこそ……」
相手も恥ずかしそうだ。見た目からして、控え目な性格なのはよくわかる。
そして帰りながら…、
「へぇ。誠君ってサッカー部なんですか!」
「まぁ下手くそだけどな!」
いろいろと話している内に、普通に何でも話せるようになり、お互いが少しずつわかってきた。
「もしよかったら、今度の休みに2人で一緒にデートって言うか…遊びに行きませんか?」
「はい!いいですよ。」
あっさりOKしてくれた。
「ありがとう。また夜にでもメールするから。」
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