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次の日の夜…。
電話で春香が言ってきた。
「今から、誠の家に行っていい?」
俺も答えた。
「あ…あ、いいよ」
「話がしたいの…。」
「俺も言わなきゃいけないことがある。」
数分後、春香は来た。
「……あがって、ソファーにでも座っててくれ」
俺は静かに言った。
「うん、お茶…出しとくね。」
「ああ、悪いな。」
キッチンに行った春香は、誠にメールを送った。誠のケータイが鳴っている。自分の部屋に取りにいった。誠はメールを見た。
〈内容:…さよなら〉
「え…。」
振り向くと、包丁を持った春香が立っている。そしていきなり胸に何回も刺してきた。俺は必死に、
「春香……やめっ…ガハッ…やめてくれ…」
「誠が……私だけを見てくれないからっ!私だけを……!どうしてなのよ誠っ!!」
「は…るか。…はる…か…」
絶命。
「ハァ…ハァ。私が誠を殺した…。誠……」
涙が込み上げてきた……。
何分かして早苗が誠の家にきた。
「誠君っ、こんばんは!アレ……誠君……はっ」
誠の死体を見て呆然と立たずむ。
「誠…君……?」
そのころ春香はひとりで夜道を歩いていた。すると、早苗さんからメールが来た。
〈内容:学校の屋上で待ってます〉
春香は素直に屋上に向かった。そこにはすでに早苗はいた。
「あなたですよね。誠君を殺したのは……」
「そうよ、私が…殺ったの…」
「どうして?」
「誠が私だけを見てくれないからっ!」
「聞いてみたら?誠君ならそこにいますよ。」
はっと驚き、後ろを向く。そこには小さなバッグ。中を開けた。そこには、誠の頭だけが…。
「げほっ…げほげほっ」
思わず吐きそうになる。
「これをどうする気よ!」
「そんなの…あなたには関係のないこと。」
春香は怒り狂って、
「あんたが………あんたが誠をたぶらかすから…誠は…誠は…っ!」
春香はポケットに入れていたナイフで早苗を刺そうとする。だが早苗もナイフを構え、
「死んじゃえ。」
そう言って早苗は春香の首を切った。そして春香は絶命した。
早苗は、その死体をただ見つめていた……。
早苗は、誠の頭を抱きかかえてこう言った。
「これからはずっと…ずっと一緒ですよ、誠君…。」
‐終わり‐
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