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ピピピッ…ピピピッ…
窓から差し込む朝日さえも
吐き気の原因となり
目の前に現実がやってくる。
「昨日お風呂入ってない…」
肌べたついてる…
昨日は帰ったらそのまま寝たんだ…
「…ッ………」
汚い大人達。
香水臭い黄色い部屋。
卑しく笑う仕事場の女。
「はぁっ…は…」
仕事の事を思い出すだけで気持ち悪くなってくる。
でも…
"いくら欲しいの?"
ドクン
……でも私は…
私は…
"あんな奴ら"に、
負けたくなくて。
絶対
RRRR..RRRR...
「…優太」
"もっしもーし!
真央おはよッ!"
携帯から苛立つ声。
「何?」
"真央の声が聞きたくてさ~ッ"
「あっそ」
優太はかなり軽い。
毎日違う女と遊び歩いている。
"いつんなったら付き合ってくれんの?"
「色んな女に言ってるんでしょ?」
"真央にしか言った事ないし!"
私にしか?
何
言ってんの?
「うざいから」
"ひっど!超傷ついた~。あっ、真央今日は学校来いよ?
屋上で待ってるから"
「勝手に待っとけば?」
"待っとく♪"
プツッツー…ツー…ツー…
高いテンションに嫌気がさして何も言わずに電話を切る。ふと携帯の画面を見つめる。
「…」
だから人と話すのは嫌いなんだ
悲しくなるから
「お風呂入ろ…」
洗濯機の中に着ていた服を放り入れる。
服が酒臭い。
ザアアアアア.........
髪の毛の先から生暖かい水が滴る。
水滴が手首の傷にそって浴槽に落ちていく。
その光景を見て思う。
"私は何で生きてるの?"
キュッ..
右手首の傷を左手で強く握って目をつむる。
「私……何してんだろ………」
誰か教えてよ
神様でも天使でも悪魔でもいい
誰か
教えてよ
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