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優太待ってそうだし学校行こうかな。 「制服どこだっけ……」 久しぶりの制服を身にまとう。 鏡の前に立った自分を見つめる。 ただ、悲しかった。 「真央~ッ!!久しぶり!!元気にしてたぁ?」 同じクラスのナナ。 派手な女。 「元気だったよ」 そっけなく返す。 「まじ?ナナはぁ~彼氏と喧嘩しちゃってぇ~」 入学式に自分と同じニオイがしたのかやたらと連絡先を聞いて来た。 あと、優太に喋り方が似てる。 「ちょっと担任に用あるから」 そう言って教室から出た。 ナナが何か叫んでたけど聞こえてないふりをした。 何もかもうざったい。 カン…カン…カン… 屋上への階段を登りながら父親のことを思い出していた。 "今から死んでくる" いきなりそう言ってお母さんの居る病院の屋上へと続く階段を登っていく父親。 泣きながら必死で追い掛ける14歳の私… 何回もこけそうになる私に時折振り返って 「帰れ」 「お父さん!!死なないでぇ!!!! お母さんと私を捨てないで!!!! お父さん!!!!!!!!!!」 屋上のドアを開けるとすでに父はフェンスを登ってて… 無我夢中で走った。 フェンスに手が届くその瞬間 「真央、ごめんな」 「お父さぁぁぁああぁぁぁああああーーーーーーーーん!!!!!!!!!!」 莫大な借金を残して父は自殺。 残された病弱な母と私… そして私は親戚の家に預けられた。 カチャ…… 「優太」 「…真央?顔色悪くない?」 「ん…風邪かも…」 「まじ??やばいじゃん」 心配なんかしてないくせに…… 「真央、いい?」 優太はいわゆるセックスフレンド "屋上で待ってる" 合言葉に過ぎない。 「いいよ」 優太が私を押し倒してくる。 私の中に優太が入ってくる。 …気持ち悪い…… 愛がないセックスなんて 自慰と変わらないのにね
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