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「落ち着いた?」
「………」
泣きすぎて頭が痛い。
私はかなり長い間泣いてた。
「…ごめん…今日は帰る」
「や、無理。」
倉田アキが立とうとする私の腕を引っ張る。
「何で?」
「泣いてた理由聞いてない。」
倉田アキの真剣な顔が近づいてくる。
「話せるときになったら話すっていうのはだめ?」
小さく言う。
「…」
倉田アキが眉間にシワを寄せて離れていく。
「わかった。
でも約束してよ」
「何を?」
「明日も学校来て。」
…
「うん…約束する。」
「ん。じゃあ、また明日」
倉田アキがニッコリ笑って手を振る。
私も振り向き様に少しだけ手を振って屋上の扉を閉めた。
「…ふふ」
どうかしてる
昨日より少しだけ
少しだけ鼓動が早い。
教室に戻るとナナが話しかけてきた。
「真央~2時間位居なかったよね~…?
…ど、どこ行ってたのぉ?」
なんとなくナナが暗いような気がした。
「内緒。」
ナナの表情が曇る。
「…真央は私のこと裏切らないよね~?」
「…?」
どういう意味で聞いてるの…?
「裏切らないよ」
ナナと私の間に友情なんか…無いと思う。
裏切る物も無いよ…
「あは、よかった~」
何が聞きたいのかわからないナナに私は少しいらつく。
「真央明日も学校来るよねえ~?」
"明日も学校来て"
「…来るよ」
約束したから。
…今思えば、泣いてる人の隣にずっと居るのってきつくないのかな?
きついよね…
"また明日"
倉田アキを思い出して少し笑った。
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