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「真央ちゃん、今日あなたのお母さんが死んだわよ」
―――…え……
「あなたの唯一の味方がいなくなっちゃったわねぇ」
お母さんが
死んだ…?
「真央ちゃん」
だって昨日
お見舞いにいったとき笑ってミカン食べてたのに
「出ていってちょうだい」
視界の端っこでいとこがブッ!と吹き出して笑っている。
何で笑ってるの?
こんなに苦しいのは
何で?
「真央ちゃん。」
「いくら欲しい?」
―プツン
私の中で…
何かが切れた。
「んか…」
「え?」
「…金なんか…いらない……!!!
私は1人で生きていく!!!
父の借金も私1人で全額返済する!!!!!」
バシッ
最後に近くにあった新聞紙をおばさんに投げつけて家を出た
走って走って
居場所がないことに気付いて
泣いて……
先生が……
コンコン
ビクッ!!!
「真央ちゃーん?早く着替えて部屋はいってくれないかな?
常連さんが来てて。」
びっくりした…
「すっすいません!すぐ出ます!」
…いじめられてるのはトップの私が気に入らないから。
ほんと幼稚…
あいつらも…
親戚のやつらも……
更衣室の扉を開けて廊下に出る。
赤い廊下を歩いていく。
今夜も始まる…
1つの扉の前で私は立ち止まる。
カチャリ
「お待たせしました…真央です」
「やあ真央ちゃん。よろしく頼むよ」
常連の男はベッドの上で卑しく微笑む。
気持ち悪い…
優太も所詮はこんな奴らと一緒なんだ…
"あんたは傷つかないの?"
傷つくよ
だから
ねえ倉田アキ
私を
私を
今すぐさらいに来てよ…
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