歳月

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夏休み入ったばっかり、俺は布団に横になってダラダラと本を読んでいた。それにしても暑い! 《トントン…》 ドアが開いた。 『幸介、お母さんパート行ってくる!お昼あるから、後で、温めて食べてね!友美は春香ちゃん家だから、出かける時は、戸締まりよろしくね!』 俺の母さん。近所のスーパーで、友里おばさんと(おばさんって言うと怒られるから、普段は、純さん、友里さん)働いてるんだ。何か子供達にあったら困るから、お互い時間をずらしたり、休みもバラバラに働いてる。 「母さん!お金、前借り頼みます!」 俺は起き上がり、布団の上に正座して頭を下げたんだ。 『もう!何に使ってんの…!』 母さんが呆れて聞いてきた。 「デート代!俺さ、彼女出来たんだよ。」 ニッコリ笑って、話したんだ。 『えっ!どんな子?いやぁ、早く言いなさいよ。今日、お店に顔出すように!それと、健全にね』 母さんは財布を取りだし、夏休みだからと、1万円くれたんだ。 「もちろん!ありがと。母さん!行ってらっしゃい!」 母さんは、慌ただしく出ていった。俺は、母さんも父さんも大好きだ。
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