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「唯子!聞いてー!」
ぼんやりと窓の外を眺めていた尾崎唯子は、友達の内村真美のはしゃいだ声で現実に引き戻された。
まだ朝のホームルーム前で教室の中はざわついていて、雑談したりマンガを読んだり、それぞれ好きなことをして過ごしている。
「どうしたの?」
真美の話の内容についてうすうす見当はついているものの、礼儀として尋ねてみる。
真美は興奮して乱れた息を整えてから、ほんのりと上気した頬をゆるめた。
「夕べ、ついに後藤くんに告白したってメール送ったでしょ?さっき返事がきて、OKだって!」
後藤くんというのは、真美と同じファーストフード店でアルバイトをしている別の高校に通う男の子で、真美の片思いの相手である。
昨夜のアルバイトの帰りに思いきって告白したらしい。
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