ゴーストタクシー

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俺は必死にそのタクシーにのった。 「いらっしゃいませ…どちらまで…」 と運転手は怪しい声で言った。 「どこでもいいからだしてくれ…」 俺はその場から逃げる事しか考えていなかった。 すると運転手は 「私は目的地を言っていただかなくては、どうする事も出来ません…」 クス、クスと笑いながら言った。 目的地などない。 俺は心のどこかで不安と焦りのいりまじる中で一つの言葉を言った… 「誰もいない場所…」 それは心の声だった。 運転手はニヤリと笑うとこんな返答をする… 「それは…つまり…人間のいないところ…ということですか?」 「そうだよ…早くしてくれ…」 その会話を終えると運転手はニヤリとまた笑いながら… 「かしこまりました」 と言ったのである。
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