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朝のホームルームが終わり、皆1時間目の授業の準備をしていた。
ホームルーム中に準備を終わらせていた麗は、また外の景色を眺め、時にはメガネを外して目をつぶり、窓から入ってくる爽やかな風を肌で感じていた。
(東京って言っても、この学校の周りは緑がたくさんあって、空気が気持ちいい…)
そんな麗を、八田はまた見つめていた。
「ねぇ、麗ちゃん。麗ちゃんの好きな食べ物って何?」
「………えっ?」
「好きな食べ物。」
「ミルフィーユだけど……?」
「へぇ。そか。」
(何?それだけ?意味わかんない。)
麗は、不思議な顔をした。
そしてまた、興味なさげにテキストに目を落とした。
1時間目の授業が終わるや否や、クラス中の人間が八田のもとへ集まって来た。
そんな中、麗一人は、人混みから避ける様に、教室を出て行った。
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