始まりの話

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入学式の次の日ってこともあり、学校は多少ばたばたしていた。 今日は、部活紹介だとかそんなんをやって、午前中で学校は終了した。 身支度を済ませ、結花と二人で帰る。途中、小さな靴屋に寄って、俺の新しい革靴を買った。 「純也はまだ身長伸びてるんだね。羨ましいなぁー」 と、隣で結花がそう言う。 「伸びてんのか? 自分じゃよく解らねえよ」 「んっと……どおかな? 私もよく解らないや」 「何だよそれ」 「ヘヘッ。ごめんね」 そんな会話をしながら、駅へと向かう。 駅に着くと、意外とすぐに電車は来た。 それに乗り込んで村へと帰る。そして、村に着くと、朝に約束した通り、俺は結花の手を握ってやった。 その瞬間に、驚いた様子で、パッと結花が俺を見る。 そして、軽くボンッと擬音が出そうな勢いで顔を赤くすると 「覚えててくれたんだ。ありがと……純也」 と言って、きゅっときつく俺の手を握った。
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