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バスが時間より早く来た。
田舎道だから遠くからでも走って来るのが見える。
普段は平気で遅れてくるくせに。
「じゃあね」
そう言ったユカの顔を思わず見た。
見てしまった。
三ヶ月前と同じ泣き顔、三年前告白してきた時と同じ真っ赤な顔だった。
誰が悪いか、その答えが分かった。
「ユカ」
バスの階段に足を掛けていたユカが驚いて振り返った。
「…たぶん誰も悪くないんだ」
ユカの大きな目から涙が溢れ落ちる。
「もう一度やり直そう三人で」
そう言った途端ユカがバスから飛びついてきた。
「ちょ、お前お腹の子が危ない…」
そう言おうとしたがユカは赤ん坊の様に泣きじゃくって話を聞ける様子じゃなかった。
「…まぁいいや」
きっと
許せることや許せないことなんてちっぽけなものだと思う。
一番大事なことは、大切なことは何かって分かることなんだと思う。
世界一大切な人を抱きしめて思った。
―おわり―
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