約束

5/26
前へ
/149ページ
次へ
横になって眠りについている姫を見ながら思った。 シュダは無事なのか、と。 昔から私と姫とシュダは三人一緒で、姫のお守り役兼護衛役としてやってきた。 近衛兵副隊長に任じられた時、シュダはすでに隊長だった。 剣の腕も強く、二人で姫を守ることを誓った。 姫のいないところでは、どちらかが必ず最後まで姫をお守りする。 という血の約束すらしていた。 隊長は戦いがくることを何となく予期していた。その時のためへの備えもしてあり、姫だけを逃がすことが出来た。 しかし、途中に追っ手にあい、隊長は私と姫を守るため、一人残って戦っていた。追っ手の数から隊長一人では危険だったはず。 あの血の約束を優先し、姫を逃がすことに専念して、隊長と戦えなかったことを後悔していた。 隊長が無事ならいいのだが…
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加