約束

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姫が駆け寄ってきて剣を抜く… 隊長は息絶えていた 姫に話し掛ける 「国は占領されていることでしょう…王様ももはや生きてないと思います…これを…」 赤い巾着で出来た布を姫に渡す 『これは?』 「この道を海岸に出て、海沿いに行くと、私の家系のものが住んでいます。この巾着を見せれば、迎え入れてくれるはずです。しばらくはそこで身を隠し、情勢を見極めてください。」 『あなたは』 「この血を見てください…そのうち、止まるかもしれませんが、未だ流れています。敵兵に痕跡を残すようなもの…姫とは逆方向に行きます」 『そんなことは出来ません。』 「あなたは生きなければいけない。見届けなければいけない。 どうか生きてください。 私のためにも」 しばしためらったが、姫はクルリと後ろを向いた。
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