2人が本棚に入れています
本棚に追加
姫が駆け寄ってきて剣を抜く…
隊長は息絶えていた
姫に話し掛ける
「国は占領されていることでしょう…王様ももはや生きてないと思います…これを…」
赤い巾着で出来た布を姫に渡す
『これは?』
「この道を海岸に出て、海沿いに行くと、私の家系のものが住んでいます。この巾着を見せれば、迎え入れてくれるはずです。しばらくはそこで身を隠し、情勢を見極めてください。」
『あなたは』
「この血を見てください…そのうち、止まるかもしれませんが、未だ流れています。敵兵に痕跡を残すようなもの…姫とは逆方向に行きます」
『そんなことは出来ません。』
「あなたは生きなければいけない。見届けなければいけない。
どうか生きてください。
私のためにも」
しばしためらったが、姫はクルリと後ろを向いた。
最初のコメントを投稿しよう!