学生

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力なく地面にだらけている奴はほっといて、俺は時計を確認した。 それでようやく今日の授業が終わったのだと気がつく。 「あれ?森下、もしかして今日デート?」 「うおっ!?」 後ろからの声に飛び跳ねた。 そこには早川がいた。 早川はトレードマークの眼鏡をクイッ、クイッといじっている。 しかしこれも日常のこと。 「あんたもすみにおけないわね。だって、ゆう───」 「沙織、あんたも学習しないのね」 ギリギリ音を立てて拳を握っている鬼がいる。 早川は苦笑いをして、暴力反対と訴えている。
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