学生

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俺は依頼された。 依頼主は言うまでもない。 佐藤五郎だ。佐藤派の柱の。 彼に俺は五百万で雇われた。 人の命が五百万、っていうのは少し安い気もする。 けど、今は戦争の時代じゃない平和な時代。 だから、無料でコロコロ死んでいたあの頃よりは価値が上がったと俺は思う。 依頼主の以来の理由は無論言わずともわかるだろう。 邪魔だったんだ、毛利春雄は。 それならば毛利春雄を殺せば良い、と思うかもしれないが、それよりももっと得をする手段がある。 毛利春雄の息子、毛利春人を殺すことだ。 毛利春雄を殺せばそれで佐藤派の勝利は確定する。 しかし、その後のことを考えるべきなんだ。 仮に毛利春雄を殺すとする。 すると、佐藤派の勝利は確定するが、青井綾香と毛利春人は結婚する。 そうすれば、毛利に莫大な金が入る。 それが気に食わないのだ。
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